能登半島地震により、北陸地方全体で、旅行のキャンセルが相次いでいます。
先日、北陸応援割の前でも使える「北陸旅行支援・割引クーポンまとめ」という記事を公開しましたが、「旅行をキャンセルしないで観光しても良いの?現地の迷惑にならないの?」と、迷いの声が届きました。
結論から言いますと、能登地域および石川県・富山県の一部を除き、北陸地域の宿泊施設・観光施設は概ね通常どおりの営業をしており、観光することができます。
とはいえ、旅行に行くか否かについては、ご自身で判断する必要があるため、このページでは、①観光できる地域、②余震(地震)の現状、③北陸を旅する上で注意することの3点について、情報をまとめました。
※このページは2月12日以前の情報です。記事が古い場合には、最新情報をご確認ください。
北陸応援割発売日 / 受付状況を速報|徹底解説
上乗せ割引北陸の割引クーポンまとめ
このページの内容
北陸応援割や北陸へ旅行することが復興支援に
能登半島地震により、通常どおりの営業が可能な地域でも予約のキャンセルが相次いでおり、北陸4県で1月中に約17万件のキャンセルが生じています。このため、3~4月を念頭に、北陸4県を対象として、1泊2万円を上限とし、補助率50%で旅行代金を割り引く「北陸応援割」を実施します。 pic.twitter.com/M4rSHDTZrP
— 首相官邸 (@kantei) January 26, 2024
新型コロナが5類へ移行し、観光需要が戻ってきた矢先に大きな地震が能登半島を襲いました。
岸田首相は2024年1月26日、「北陸応援割の意義」について次のように述べ、北陸応援割の実施を表明しました。
「北陸地方で通常営業している旅館・ホテルでは1月中だけで少なくとも17万件ものキャンセルが出ています。観光業は関わる業種の裾野が広く、多くの方が苦しんでおり速やかな対策が必要です。地方経済の柱である観光が自粛ムードによって一気に落ち込むことは能登復興にも深刻な影響を与えかねません。まずは風評対策として、北陸4県を対象として50%代金を割り引く北陸応援割を3月から実施します。」 引用:岸田首相 Xより
北陸応援割は、北陸4県(石川県、富山県、福井県、新潟県)の旅行代金を最大半額補助する旅行支援です。開始は早ければ3月頃を予定しており、開始まで数週間の期間があります。
石川県北部の能登地域で甚大な被害を受けた一方で、その他の地域では直接的な被害は限られているものの、余震の影響や風評被害により、北陸地方全体で旅行のキャンセルが相次いでおり、自粛ムードが広がっていることで、地域経済も落ち込んでいます。
二次避難や災害支援の方の利用で稼働率が高い施設は一部あるものの、北陸地方全体で観光客が激減していることにより、宿泊施設や飲食店、土産店、観光施設等は、落ち込みが激しい状況です。
北陸地方の一大産業は「観光」です。観光をすることで地域が活性し、北陸地域を応援することになります。
北陸応援割の実施は、”北陸を観光してください”という政府のメッセージとも言えますが、それまでに旅しても良いのでしょうか?
北陸地方を旅行しても大丈夫?
観光が可能な地域については、名取祐一郎さんのイラスト(X)が分かりやすいのでシェアしたいと思います。
石川県のX公式アカウントも引用して話題になりました。
イラストで一目で分かるように、目安として、石川県南部および、富山県、福井県、新潟県は、ほぼ通常通りの営業をしているお店が多く、観光客の受け入れ準備ができている地域がほとんどです。
名取祐一郎さん(1月25日)「石川県北部にはまだ来ないでください。石川県南部にはぜひ来てください。」
石川県の馳浩知事(1月15日)「このような時こそ石川に来てほしい。被災地への支援もお願いする。観光してもらうことが、奥能登とは違う状況で頑張っている県民を支えることになる。過度にキャンセルしないでもらいたい。」
能登半島地震の余震が心配という声も…
地震については、気象庁の発表するデータが分かりやすいのでシェアします。
上の画像は、2024年2月8日時点の、石川県能登地域(上:宝達志水町以北)、石川県加賀地域(下:かほく市以南)の最大震度と地震回数を表示したのものです。
能登地域は、1月16日に震度5弱を記録して以降、震度5以上の強い揺れは発生していませんが、依然として活発な地震活動が続いている状況です。
それ以外の地域(石川県南部および、富山県、福井県、新潟県)では、1月下旬以降、余震の回数も落ち着いてきていることが分かります。
しかしながら、”平常時に比べると依然として強い揺れが発生しやすい状況にある”と、気象庁は注意を呼びかけています(2月9日時点)。
地域ごとの状況をみて判断を
旅行に行くか否かについての判断は、旅の目的地や交通手段、宿泊施設、誰と旅行するか、旅行者の年齢や健康状態など、それぞれ状況等が違うので一概には言えませんが、目安として公共交通機関や観光施設、宿泊施設が通常営業してる地域については、過度に自粛する必要はないでしょう。
旅行を検討する場合、国や旅先の自治体、観光協会、ご利用になる宿が発信する現地情報をチェックし、状況を確認した上で判断し、お出かけください。
なお、能登地域は復旧作業が進められているため、当面の間、観光で訪れることは控えましょう。
北陸地方を旅行・観光する際の注意点
①余震対策をする
余震も比較的落ち着いてはきましたが、引き続き注意が必要です。
余震についての情報は、気象庁のサイトが参考になります。
②事前に最新の情報を確認する
能登地域および石川県・富山県の一部を除き、概ね通常営業を行っておりますが、一部の観光施設では臨時休業や一部の営業としている場合があります。
例えば、金沢市の二十一世紀美術館は2024年2月6日から一部営業を再開していますが、人気の「スイミング・プール」の地上・地下への入場も当面は休止するとしています(2月6日時点)。
訪れる予定の観光地や店舗がある場合、旅行前に最新情報のチェックをおすすめします。
まだまだ雪の多いシーズンでもありますので、天気や道路情報の確認もお忘れなく。
③周囲に配慮する
旅先には、二次避難やボランティア活動のために滞在されている方がおられる可能性があります。
「被災された方々のことを思うと、観光を楽しむ気持ちになれない。」という気持ちも良く理解できます。
一方で、観光することで喜んでくれる方や、消費することで地域が元気になり復興支援に繋がることは確かです。
「旅して応援したい」という気持ちをもった立ち振舞や行動であれば、現地の方も歓迎してくださるでしょう。
北陸応援割を待たずに旅行するメリット
北陸応援割を待たずに旅行することは、北陸の応援になること以外に、旅行者にもメリットがあります。
北陸応援割の開始前の旅行は、最大50%の割引適用がない分、旅行代金が高くなる可能性はありますが、北陸応援割の実施以降は、旅行客の増加に比例して、全体的に相場は値上がりするでしょう。
(※観光庁は、”北陸応援割の割引分を旅行代金に不当に上乗せする「便乗値上げ」を監視し、明らかな場合は厳正に対処する”方針を示しました。一方で定義が曖昧で、現在は旅行需要に応じて価格を調整する「ダイナミックプライシング」を取り入れている宿も多いため、料金相場は今後上昇することが予想できます。)
また北陸応援割が3月からスタートすると、旅行客が多く訪れることが予想されるので、観光地は混雑しますが、今なら、ゆったり観光できたり、人気の宿や飲食店などの予約が取りやすかったりといったメリットもあります。
旅行クーポンサイトでは、北陸旅行応援割の開始前に使える割引情報もまとめています。是非、活用してくださいね。
今すぐ使える北陸の旅行支援・クーポンまとめ
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筆者も、熊本地震や北海道地震のあと比較的すぐに現地を訪れましたが、旅館や飲食店でも温かく歓迎してくださいました。
一方で、様々な理由から、今が旅行をするタイミングではないという判断される方の心情も理解できます。
今すぐ旅をする以外にも、義援金の寄付やふるさと納税の活用など、様々な支援方法がありますので、各々ができることで北陸を応援できると良いですね。
▶︎ふるさと納税を活用し、旅して応援する方法(義援金情報あり)
北陸応援割発売日 / 受付状況を速報|徹底解説